2026年6月6日のUT16:33:29(日本時間6月7日、01:33:29)に無事にイオンエンジンの所定の運転を完了したことが、6月9日の運用で判明しました。2020年12月の地球帰還カプセル投下後、拡張ミッションに取り組んでまいりましたが(1,2)、特にイオンエンジンはA,B,C,D 4台のうちA,C,Dの3台が、想定よりも早く性能劣化の指標となる中和器電圧が上昇し、現在はBのエンジン1台で運転しています。そのBについても、2026年4月21日より開始した今期のイオンエンジン運転において、図1に示すように他の3台と同じく電圧上昇が見られ始めました。イオンエンジンBは下記の表1のとおり6月9日現在で8143時間を経過しています。
イオンエンジン全体としてはすでに初号機の実績を20%ほど上回る力積を達成し、速度増速も2km/sに達しました。ノミナルミッションを100%とするとΔVノルマは、155%を達成しています(2)。
非常に厳しい状況ですが、エンジンに流すキセノンガスの量を増加させることで、劣化の進行を防いでいます。図1では紫のA、水色のC、オレンジのDと比べて、Bの緑色の中和器の電圧がゆっくりと上昇していることがわかります。
小惑星フライバイ後、2027年12月の地球スイングバイに向けて、フライバイ直後から再びイオンエンジンのノルマがあることからイオンエンジンチーム(図2および図3)で精一杯取り組んでまいりたいと思います。
1. https://www.hayabusa2.jaxa.jp/topics/20221223_IES/
2. https://www.hayabusa2.jaxa.jp/news/20241225_extended/
月崎竜童(イオンエンジン担当)
2026.6.10

