2026年7月5日に「はやぶさ2」は、小惑星トリフネのフライバイ探査を行います。現在、「はやぶさ2」はトリフネに接近中ですが、ついに「はやぶさ2」からトリフネを確認することができました(図1)。

図1 「はやぶさ2」が撮影した小惑星トリフネ。2026年6月20日から6月21日にかけて、時間をおいて撮影した画像を重ねたもの。黄色の四角の中に写っている天体がトリフネ。矢印の方向に移動している。この画像は、望遠の光学航法カメラ(ONC-T)の画像から約1度四方を切り出したものであり、1ピクセルあたり約22.3秒角になっている。
(©JAXA、千葉工業大学、日本スペースガード協会)
図1は、日本時間で2026年6月20日の3時頃から6月21日の19時頃までの間に撮影した画像からいくつかを抜き出して重ねたものです。撮影には、望遠の光学航法カメラ(ONC-T)を使いました。矢印の方向にトリフネが移動して観測されています。 一枚の撮影の露出時間は約178秒で、トリフネは約12.5等の明るさです。トリフネが写っている方向は、「はやぶさ2」から見て、てんびん座の方向になります。探査機からの距離は約700万kmです。(図2には元の画像、図3には動画を掲載します。)

図2 「はやぶさ2」が撮影した小惑星トリフネ。図1の元になる画像。(©JAXA、千葉工業大学、日本スペースガード協会)

図3 「はやぶさ2」が撮影した小惑星トリフネの画像を動画にしたもの。(©JAXA、千葉工業大学、日本スペースガード協会)
小惑星トリフネは、予想された方向に観測されました。これで、「はやぶさ2」が正しくトリフネに向かっていることが確認できました。まずは「はやぶさ2」の軌道が大間違いしていることはないと確認できてほっとしたわけですが、実際には「はやぶさ2」の軌道運用が非常に正確に行われていたことになります。
図1でトリフネは1ピクセル以下で撮影されています。今後も「はやぶさ2」はトリフネを撮影しながら接近していくことになります。これがリュウグウ接近のときにも用いた「光学電波複合航法」ですが、今回は接近速度が全く異なります。リュウグウ到着の時は、最終的な相対速度(リュウグウに対する速度)は秒速数cmでした。今回のトリフネフライバイでは、相対速度が秒速5kmです。 ですから、新たな航法誘導のやり方を導入して臨むことになります。
では、トリフネの姿をいつ見ることができるでしょうか。実は、トリフネの形が見えてくるのはトリフネ最接近時刻の約1分前になります。それまでは、トリフネは1ピクセル程度にしか撮影できません。トリフネの姿を我々が確認できるのは、フライバイ後になります。
これからが本当の本番です。「はやぶさ2」を如何に正確にトリフネに接近させるか、新たな挑戦です。
はやぶさ2拡張ミッションチーム
2026.6.24

