トピックス「はやぶさ2」が天の川を撮影しました

「はやぶさ2」探査機は、「はやぶさ2#」として延長したミッションである「拡張ミッション」を行っています。 太陽系空間を飛行しているときに、ときどき望遠の光学航法カメラ(ONC-T)で撮影を行っていますが、2023年2月8日に撮影した画像を公開します。

画像は、日本時間で16:30、17:30、18:30に撮影しました。撮影画像を図1、2、3に示します。元の画像は白黒ですが、見やすいように着色してあります。 撮影した方向は、いて座の方向で、ちょうど銀河系(天の川銀河)の中心に近い方向になっています。撮影した領域を図4に示します。

このように星空を撮影する目的は、黄道光という太陽系空間に広がる惑星間塵(ダスト)による太陽光の反射を観測するためですが、 今回、天の川の撮影を行った理由は、カメラの視野内の感度分布を確認するためです。そのために、視野を重ねて3回撮影しました。 露光時間は178秒で、リュウグウの科学観測に用いたバンド(v-band)の16倍の感度を持つ一番感度の高いバンドを用いて観測しました。 このバンドでは12等級の暗い天体も識別できるほどで、今回天の川もはっきり捉えることができました。

「はやぶさ2」はこのような星空を見ながら、太陽系空間の飛行を続けています。

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図1a ONC-Tによって撮影された天の川。2023年2月8日、16:30(JST)撮影。
(画像クレジット:JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 会津大)


図1b 図1aの画像に恒星の名称を付記したもの。
(画像クレジット:JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 会津大)


図2a ONC-Tによって撮影された天の川。2023年2月8日、17:30(JST)撮影。
(画像クレジット:JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 会津大)


図2b 図2aの画像に恒星の名称を付記したもの。
(画像クレジット:JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 会津大)


図3a ONC-Tによって撮影された天の川。2023年2月8日、18:30(JST)撮影。
(画像クレジット:JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 会津大)


図3b 図3aの画像に恒星の名称を付記したもの。
(画像クレジット:JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 会津大)


図4 撮影領域の説明図。背景の画像はNASA/ESA/Gaia/DPACより。
(画像クレジット:JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 会津大)


はやぶさ2拡張ミッションチーム
2023.3.17