拡張ミッションにおける
「はやぶさ2探査機」の軌道情報
「はやぶさ2」が地球に帰還してから拡張ミッションの途中までの「はやぶさ2」の軌道データを公開します。ご利用ください。 データファイルには、「はやぶさ2探査機」に加えて、地球と小惑星の位置データも記載しました。 関係する小惑星が3つ(リュウグウ、2001 CC21、1998 KY26)ありますので、ファイルも3つあります。探査機、地球のデータは同じです。
はやぶさ2+地球+リュウグウ:Haya2_JU3_20221227_UTF8.txt
はやぶさ2+地球+2001 CC21:Haya2_CC21_20221227_UTF8.txt
はやぶさ2+地球+1998 KY26:Haya2_KY26_20221227_UTF8.txt
(UTF-8、改行コードCR+LF)
はやぶさ2+地球+リュウグウ:Haya2_JU3_20221227_SJIS.txt
はやぶさ2+地球+2001 CC21:Haya2_CC21_20221227_SJIS.txt
はやぶさ2+地球+1998 KY26:Haya2_KY26_20221227_SJIS.txt
(Shift-JIS、改行コードCR+LF)
ここで公開していますデータは、「はやぶさ2」がその拡張ミッションにおいてどのような軌道で太陽系空間を飛行しているのか、図やCGを作製するときや教材などにご利用ください。数値の精度は、0.0001au(約15,000km)です。 これは太陽系を俯瞰した軌道図を描くためには十分な精度となっています。この軌道精度よりも高精度の議論にはこのデータは使えませんのでご注意ください。
以下でデータについて説明します。軌道データに慣れている人は、以下はスキップして、直接データファイルを見ていただいて結構です。
データの各行がUTCのコラムに書かれた日時におけるデータになります。UTCとは協定世界時(Coordinated Universal Time)のことで、日本時間に変換したい場合にはUTCの時刻に9時間を足してください。 また、UTCのコラムの右に書かれている「L+」とは、打ち上げ時刻の2014年12月3日4:22:04 UTCから数えた通算日となります。ここでLは打ち上げ(Launch)のことです。
続いて、「はやぶさ2」、地球、小惑星の座標値(x,y,z)が書かれています。数値の単位は天文単位(au:astronomical unit)です。1auは地球と太陽の間の距離で約1億5千万kmです。正確には、1au=149597870700mとなります。また、この座標値は黄道座標系に準拠したものです。 x-y平面が地球の公転面(黄道面)にほぼ一致しているので、地球の軌道面からあまりずれていない(zの値が小さい)天体の軌道を描くときには、(x,y)の平面に描くと軌道の様子を把握できます。(黄道座標系の詳しい説明は天体の軌道についての参考書などを参照してください。)
このデータファイルには、さらに次の値も記載されています。
Rs : 「はやぶさ2」と太陽の距離
Re : 「はやぶさ2」と地球との距離
Ra : 「はやぶさ2」と小惑星との距離
Vs : 「はやぶさ2」の巡航速度(太陽相対速度)
Ve : 「はやぶさ2」の地球相対速度
alpha : 地球から見た「はやぶさ2」の赤経
delta : 地球から見た「はやぶさ2」の赤緯
Dflt : 「はやぶさ2」の総飛行距離
なお、「はやぶさ2」の軌道情報は米国のジェット推進研究所(JPL)の、
HORIZONS System(https://ssd.jpl.nasa.gov/horizons/)
に掲載されている場合もあります。これは、はやぶさ2拡張ミッションがJPLに協力を依頼しているためです。HORIZONS Systemに掲載される「はやぶさ2」の軌道情報は、作業用のデータである場合もあるのでご注意ください。
この軌道データを使っていただいて、「はやぶさ2」を楽しんでいただければ幸いです。
はやぶさ2拡張ミッションチーム2022.12.28

