トピックス第30回(2020年度)日本航空宇宙学会賞
を受賞しました

はやぶさ2プロジェクトメンバーの森治氏のグループと吉光徹雄氏のグループが、第30回(2020年度)日本航空宇宙学会賞を受賞しました。森氏のグループは、「はやぶさ2の化学推進系の開発と往路運用」で論文賞を受賞しました。また、吉光氏のグループは、「はやぶさ2搭載MINERVA-IIローバ」で技術賞(プロジェクト部門)を受賞しました。「はやぶさ2」のために開発した化学推進系や小型ローバの技術を評価していただけたことを感謝いたします。



第30回日本航空宇宙学会賞の表彰状
(画像クレジット:JAXA)



受賞者名:
■はやぶさ2の化学推進系の開発と往路運用
森 治、櫛木 賢一、成尾 芳博、澤井 秀次郎、志田 真樹、丸 祐介、道上 啓亮、中塚 潤一 (JAXA)、高見 剛史、浦町 光 (三菱重工)


■はやぶさ2搭載MINERVA-IIローバ
吉光 徹雄、久保田 孝、冨木 淳史 (JAXA)、廣瀬 智之、須藤 泰志、藤村 優 (デジタル・スパイス)、足立 忠司 (セシアテクノ)、朝倉 義信、大江 和広、関根 一秀、藤松 拓也 (nittoh)、中谷 一郎 (愛知工科大)、はやぶさ2プロジェクトチーム (JAXA)

※関連情報:
 日本航空宇宙学会 第30回(令和2年度) 受賞者一覧:https://www.jsass.or.jp/award/100/
 日本航空宇宙学会 第52期 年会講演会 プログラム(学会賞記念講演):
      https://branch.jsass.or.jp/nenkai/program/

※受賞者からのコメント:
  はやぶさ2の化学推進系は、はやぶさ初号機や金星探査機あかつきで発生した化学推進系のトラブルについて、考えられるすべての対応策が反映されています。また、SCI(小型衝突装置)退避やピンポイント着陸など新たな運用要求も満足するように開発し、打ち上げ後は,化学推進系の性能を評価しながら、着実にミッションを遂行しました。 本論文はこれらの開発・運用状況を詳細に記載したもので、実際にはやぶさ2が大きなトラブルなく地球帰還できたことも、受賞を後押ししてくれたと考えています。
 化学推進系はバス系サブシステムということもあり、このような形で脚光をあびたことはほとんどなかったので、研究メンバー一同大変うれしく思っています。これを励みに研究開発を進めて、これからのミッションにも貢献していきたいと考えています。
(森 治)

 MINERVA-IIローバが小惑星Ryuguの表面を移動探査したことを評価していただき、一同、誇りに思っています。
 ローバによる地球外天体の探査は、ロケットによる打ち上げ、母船による対象天体へのランデブ、現場へローバの展開と数々のプロセスを経て、ようやくスタートラインにたてます。こうした先人の技術開発と現役の方々による探査機の完璧な運用に対して、良い成果で応えることができたことで、少しずつ未知なる世界の先を開拓できるのだと思います。
 最後に、今回の受賞者メンバ以外でMINERVA-IIの開発に協力してくださった大勢の皆さまに重ね重ね感謝申し上げます。
(吉光 徹雄)



受賞者の写真


受賞者の森 治氏。「はやぶさ2」打ち上げ直前(2014年11月)の推薬充填作業後に撮影。
(画像クレジット:JAXA)



受賞者の冨木淳史氏、吉光徹雄氏、久保田孝氏(左から)
(画像クレジット:JAXA)


はやぶさ2プロジェクト
2021.5.28