トピックスプロジェクトメンバーからのメッセージ

2020年12月6日、はやぶさ2は無事にカプセルを地球にまい降ろすことができました。世界中の皆さんからたくさんの心温まるメッセージをいただき、大変心強い思いでした。ありがとうございました。ここにプロジェクトメンバーからのメッセージを掲載します。感謝の気持ちや新たなミッションへの意気込みなど、現在のメンバーの気持ちが伝わればと思います。
メッセージは順不同です。

メッセージ
はやぶさ2が潜り抜けた惑星間往復航行の扉.それは,太陽系の歴史を詳らかにする時間の扉でもありました.46億年・52億キロメートルの時空をともに駆け抜け切ったプロジェクトチームメンバーを誇りに思います.そして,はやぶさ2にいつも応援のエネルギーを送ってくれた皆さまに深く深く感謝いたします.見守る方も,やる方も,全部まるまる,チームはやぶさ2.最高のチームワークでした! これからのリュウグウサンプル,はやぶさ2拡張ミッション,はやぶさ2が作る宇宙探査の未来をお楽しみに!
津田 雄一(はやぶさ2プロジェクトマネージャ、JAXA宇宙科学研究所)
応援ありがとうございます.緊張のタッチダウンと見事なリエントリを経て地上にもたらされた貴重な リュウグウ試料によって,惑星系形成の謎が解明されるものと信じています.素晴らしいチームです.
渡邊 誠一郎(プロジェクトサイエンティスト,名古屋大学)
「映画をつくらせない」をモットーにしてきましたが、トラブル無く地球帰還・カプセル回収・サンプル確認まで完遂できたことの嬉しさは表現が見つかりません。探査ミッションは個人ではなくチームが必須ですが、「はやぶさ2」という大きなチームとして連携連動でき、結果に繋がったことがまた嬉しいです。JAXA内に限らず関係企業や機関、欧米豪からも協力いただいて大きな”One Team”になることができました。みなさまからの暖かい応援に感謝します。
中澤 暁(サブマネージャ、JAXA宇宙科学研究所)
はやぶさ2は2020年12月6日にたくさんのリュウグウのサンプルとともに地球に帰ってきました.すぐに行ってしまいましたが・・・.様々な困難はありましたが,サンプルリターンミッションが成功したこと,言葉にできないくらい嬉しいです. いつもはやぶさ2を応援いただいた皆様のおかげです. そして,10年の長い期間を素晴らしいチームメンバーと過ごせたことに感謝します.
佐伯 孝尚 (プロジェクトエンジニア,JAXA宇宙科学研究所)
皆様、応援ありがとうございます。 「釣りは釣った魚を料理して食べて初めて完結する」と同様に、 サンプルが取れて、更にサイエンスの分析結果が出て初めてタッチダウンも完結したと言えるので、 その結果が楽しみです。さぞかしおいしい料理ができることと思います。 表に出てること、出てないこと、数多くの苦難がありました。 これらの苦労を素晴らしいプロジェクトメンバーと共に乗り越えてきたことを誇りに思います。
照井 冬人(元ファンクションマネージャー、航法誘導制御担当、JAXA宇宙科学研究所)
はやぶさ2が持ち帰ったカプセルには、リュウグウからのサンプルが大量に含まれていました! 新たな歴史の1ページを刻んだと言っても過言ではないのではないでしょうか。 これも応援して下さる皆さんからの暖かい声があったからこそだと思っています。 苦しい時、皆さんからのメッセージに励まされ、何度涙を流したことか。。 本当にありがとうございました! プロジェクトメンバー一同、ここを目指して一心不乱に頑張ってきたので、今ややり切った感で一杯です。 だからこそなのか、もはやエンディングモードになりつつありますが、、、 声を大にして言いたい!「まだでしょ!!щ(゚д゚щ)」
三桝 裕也(航法誘導制御系、JAXA宇宙科学研究所)
「はやぶさ2」への応援ありがとうございました。 しかし「はやぶさ2」の仕事はこれで終わりではありません。これから拡張ミッションが始まります。 私はこの拡張ミッションにて「黄道光観測」を担当させていただきます。 「はやぶさ2」ではリュウグウ上に人工クレーターを作成しましたが、まさにあのような衝突現象によって、 小惑星や彗星から宇宙空間に破片がばらまかれ、惑星間塵として太陽系内を漂っています。 それが太陽光を散乱し、太陽系全体がほんのりと光っているのが黄道光です。 このまたとない機会を最大限に活かして良い成果を出せるように頑張りたいと思いますので、 引き続き応援をよろしくお願いします。
津村 耕司 (NIRS3チーム、東京都市大学)
ある時、真空から偶然宇宙が生まれ、ほとばしったエネルギーは物質に変わり、重力収縮して星が生まれた。 赤色巨星からはO/C/Siが生まれ、超新星爆発して混じり合い、また星ができた。 星の周りには微惑星が回り、合体して大きくなり、表面をドロドロに溶かしていくが、一部はそのまま、太陽系の過去を閉じ込めた。 ・・・ そして46億年後、一羽の隼が舞い降りて、過去のカケラをむしり取り、カプセルに詰めて1年渡り、息を潜めてスピン分離。 カプセルは、ウーメラの星空に輝きを残し、加速度トリガでパラシュートを開き、木に引っかかってはポトリと落ちた。 長い長い旅の果て、やっとの思いで届いたサンプル。人類に太陽系の過去を見せておくれ。
大島 武 (プロジェクトマネージャ、NEC宇宙システム事業部)
はやぶさ2プロジェクトの立ち上げから、開発・打上げ・初期運用まで関わっていました今村です! 2011年5月のプロジェクト化から2014年12月の打上げまでの怒濤の開発フェーズは、今となっては遠い昔の思い出です。 本当は運用フェーズにもがっつり関わっていたかったところ、辞令により別の部署に異動していましたが、 タッチダウンや衝突装置や帰還の運用にあたり、インターネットライブ中継を担当させて頂き、 チームに戻ってこれた感じがしてちょっとうれしかったです。 ライブ中継を見て下さった皆さん、歴史的瞬間のドキドキ感を共有できましたかね!?
今村 裕志(元システム・衝突装置担当、JAXA宇宙科学研究所)
探査機の運用に関わった皆さんの情熱を受け継いで、小惑星リュウグウ試料の分析を熱意を持ってチームメンバーと実施します。惑星物質分析学者にとって唯一無二の機会を大事にし、太陽系史に新しいページを書き加えていきたいと決意を新たにしています。
伊藤 元雄(Phase2高知分析チームリーダー、初期分析・化学チーム班員、JAMSTEC高知コア研究所)
「はやぶさ2」には、11年前のプリプロジェクト時代から、深く関わってきました。 来夏から始まる初期分析では、地球外物質科学の研究者としてこれまで積み重ねてきた経験を、普段通りに発揮すること。それだけを考えています。
薮田 ひかる(初期分析・固体有機物サブチームリーダー、広島大学)
小惑星リュウグウ表面の岩塊を調べた者です。はやぶさ2プロジェクトメンバーの頑張りと、皆さんの温かい応援のお陰で、貴重なサンプル確認できて、本当に良かったです。これから、どんな新しいことが分かるのか、ドキドキしております。コロナで大変な日常が続きますが、少しでも明るい話題を、はやぶさ2チームから提供できれば嬉しいです。
道上 達広(ONCカメラチームメンバー、近畿大学工学部)
はやぶさ2帰還の際の地球撮影とその画像処理を担当しました。無事カプセルが地球に帰還するのをカメラで見届けることが出来たこと、そして旅立つはやぶさ2がとらえた地球の画像が想像以上に美しく感動しました。はやぶさ2からの贈り物でした。ミッションはこれからも続きます、これからも暖かい応援よろしくお願いします。次世代の旅へ!
神山 徹(光学航法カメラ・熱赤外カメラ開発チーム、産業技術総合研究所)
このプロジェクトチームの一員という特等席で目の当たりにした 緻密な議論と繊細で大胆な運用、間髪を入れない情報発信、 また、はやぶさ2に絶えず送られていた数えきれないほどの声援、 それらすべてを思い起こし、採ってきて下さったサンプルの非常な重みを感じます。 本当にありがとうございます。 はやぶさの後を継ぎ、はやぶさ2がさらに切り拓いた道を辿って、 未来の太陽系探査は一層発展していくのだと思います。 はやぶさ2が次の小惑星につく頃にはきっと、いや必ず、 私も未来の探査に携わり、手足となって貢献したいと強く願います。 この度の大成功、大変おめでとうございました!
松岡 萌(ONC/NIRS3チーム、JAXA宇宙科学研究所)
様々な形で応援していただき、本当にありがとうございました。 打ち上げ前の開発段階のことを思い出します。。当然ながら、 うまくいく保証があるわけでもなく、成功させることを夢見て 必死になって取り組んでいました。結果は、まさに夢のようです。 これからも宇宙探査は続きます。これからも応援をよろしくお願いいたします。
亀田 真吾 (光学広報カメラ開発チーム副責任者 立教大学)
ウーメラ砂漠の中でカプセルのビーコンを捕捉できたのは本当に感動的な経験でした。 リュウグウのデータ解析に加えカプセル回収に携わることができて光栄でした。 素晴らしい探査機・チームと共にリュウグウを探索できたことを誇りに思います。
野口 里奈(形状モデル・地名命名・カプセル回収、JAXA宇宙科学研究所)
もう打ち上がらないかも知れないと思った探査機開発、50回におよぶリアルタイムの着陸訓練、想像以上に困難だった小惑星近傍運用、 コロナ禍の中ロックダウンをくぐり抜けて実行したカプセル回収。全てに参加させていただき、感無量です。我々の活動を支援していただいた方々、プロジェクトを去った仲間も含めて、本当に恵まれました。ありがとうございます。イオンエンジンによって、7年後の地球スイングバイを目指します!
月崎 竜童(イオンエンジン・カプセル回収隊担当 JAXA宇宙科学研究所)
感激!ついにこの日がやって来た!待ちに待った贈り物! 見た目はインスタントコーヒーみたいだが、リモセンと同様に中身もスカスカだろうか?
岡田 達明(TIR/MASCOT/DE/SV担当、JAXA宇宙科学研究所)
はやぶさ初号機のミッションに1999年に加わって以来、海外にいながらも、はやぶさ2には最初から多くの期待と情熱を注いできました。小惑星と隕石の分光学の専門家として、初号機が試料回収したイトカワがどのような隕石に対応するかについては私の答えがあっていたと思います。はやぶさ2のリュウグウに関してまた正解を予言できているかどうか、我々観測機器の科学チームの回答の真偽が問われる時かもしれません。2010年の時と同様に、ハラハラドキドキしながら試料解析の結果を待ちたいです。はやぶさ2ミッション完遂おめでとう!
廣井 孝弘(NIRS3/ONC科学チーム共同研究者、ブラウン大学)
はやぶさ2の開発で苦労した数年間が大きな技術的達成につながったことに安堵しています。多くの人の汗と涙の賜物であるサンプルから、今後の世界の教科書に載るような科学的成果が得られることを期待します。
奥泉 信克(構造系担当、JAXA宇宙科学研究所)
穴があくほど眺めたリュウグウのカケラが地球にあるなんて、夢のようです。オトヒメさま宝物をありがとう、はやぶさ2無事に帰ってきてくれてありがとう。
巽 瑛理(ONC画像解析・校正、IAC)
飯島さんへ.サンプルが宇宙研に返って来ましたよ.君がみんなを引っ張り込んだのだから,ちゃんと見届けてくれたよね.
竝木 則行(LIDARサイエンスチーム,国立天文台)
沢山のメッセージに深く感謝いたします。 皆様の応援のおかげで、良い緊張感を持ち、作業する事ができました。 これからもよろしくお願いします。
有川裕介・佐々木崇紀・宮原大周・荒井啓之(運用計画担当:宇宙技術開発株式会社)
「はやぶさ2」地球への無事の帰還おめでとうございます! 探査機がリュウグウ に初めて接近する際に衛星状の小天体が周囲にあるかどうか、接近を続けても安全 かどうかを判断する材料となる画像データの解析を担当いたしました。点状から徐々 に形が見えだした、あのリュウグウの表面物質がいま日本にあると思うとワクワク・ ゾクゾクします。物質の分析が進み、驚きの新事実が明かされることを期待してい ます。
布施 哲治(ONCチーム、NICT鹿島宇宙技術センター)
はやぶさ初号機では,本体がカプセルと一緒に大気圏に突入するのを複雑な気持ちで見届けました. はやぶさ2では,化学推進系にあらゆる改善策を施し,着実に運転し続けたことで, ミッションを最後までやり遂げ,新たな冒険に導くことができました. はやぶさ2の大成功ははやぶさ初号機があったからこそと思います. はやぶさ初号機で工学ミッションという形で小惑星サンプルリターンに挑戦できたこと, すぐに,はやぶさ2でリトライできたこと, 素晴らしいメンバーと活動できたこと, たくさんの方々に応援・共感してもらえたこと, に心より感謝して・・ 「はやぶさ君,はやぶさ2君,本当にありがとう!これからもよろしくね」
森 治(スーパーバイザー、化学推進系とりまとめ、TM/FLA担当,JAXA宇宙科学研究所)
サンプラキャッチャA室にリュウグウ試料がスプーン一杯分採取されていたことは、地球の海と生命の原材料を巡る分析研究の開始を告げる号砲でした。同時に私自身にとっては、はやぶさ初号機では弾丸を撃つことが許されなかったサンプラの宇宙実証を完結させるために挑んだ、捲土重来の結果でもありました。 はやぶさサンプラ開発時の命題は、「太陽系科学を刷新する科学的価値の高いサンプルを、未知の地形の小惑星から採取し、世界中の研究者に届けるシステムを実証すること」でした。その意味でサンプラ担当とは、探査機の一サブシステムにとどまらず、タッチダウン運用、カプセルインターフェイス、回収・輸送運用、キュレーション設備設計・開発・運用、初期分析・試料配分までを串通しする役割でした。多くの方に支えられてそのほとんどを実証できましたが、唯一残されたのが「プロジェクタ駆動による試料採取」の部分で、その再挑戦には2005年のイトカワから2019年のリュウグウまで、14年間かかりました。 初号機が通信途絶になった2006年から、はやぶさ2の立上げに奔走し始めました。その間国内外から数えきれない励ましとご支援を頂き、2011年のプロジェクト化のタイミングでサンプラのバトンを次世代に引き継いでもらえたからこそ、今回の成果につながったと思います。「宇宙探査は林業」という持論を、あらためて実感しています。皆様、どうもありがとうございました。
矢野 創(サンプラ・SCI・MASCOT・ONC・惑星保護・微小重力実験担当、サイエンスチームメンバー、カプセル回収隊メンバー、運用スーパーバイザー、JAXA宇宙科学研究所)
はやぶさ2を応援してくださっている皆様からの声を間近で感じながら、自分も一ファンとして、はやぶさ2の数々の偉業を素晴らしいと感じ、感動しています。 プロジェクトメンバーの方々は、大変なお仕事であるにも関わらず、いつも冷静に、穏やかで楽しく、素敵な方ばかりです!そんな皆さんのお手伝いが出来たことはとても幸せです。 これからの11年も、更なる偉業が達成されますよう応援し続けたいと思います。
木下 美夏(庶務、 JAXA宇宙科学研究所)
12月6日に火球の映像やカプセル回収の知らせを管制室で受け取り,安堵の気持ちと充足感で満たされたことを覚えています.リュウグウへ到達し,着陸し,探査機を地球へ導き,再突入カプセルを所定のリエントリ回廊へと離すこと.これらは簡単な仕事ではありませんでしたが,多くの皆様の声援を大きな推進力として,素晴らしいチームワークで成し遂げることができました.本当にありがとうございました. そして12月8日に相模原キャンパスへと帰還した再突入カプセルを目の当たりにした際,まるで自分の一部が還ってきたような,言い表せない深い感動を覚えました.太陽を挟んで反対側の深宇宙まで飛行し,小惑星リュウグウ相手に数々の冒険を共に繰り広げた探査機の一部がここにある.片道切符が多い宇宙開発の世界において,『往復切符でしか為し得ない科学』があること,そして『往復切符だからこそ湧き上がる感動』があることを深く実感しました. 今後,はやぶさ2は拡張ミッションへと続いていきます.そして将来の新しいミッションも控えています.これからも探査の世界を一緒に盛り上げていきましょう!
武井 悠人(システム担当、研究開発部門、JAXA宇宙科学研究所)
たくさんの応援ありがとうございました。 皆様から送られたメッセージを見て励まされていました。 この度サンプルリターンが成功してとても安心しています。 はやぶさ2は拡張ミッションに移り、また新たな旅に出ます。 引き続き温かい応援をお願いします。
藤井 淳(システム/地上系/計画系、JAXA宇宙科学研究所)
まずは、皆さまの大きな大きな応援、ありがとうございました。 多くのメンバが必死につないできたバトンを、非常に過酷な再突入飛行の中でも落とすことなく、無事にサイエンスチームに渡すことができて、本当に嬉しく 思っています。 再突入カプセルは拡張ミッションには一緒に旅立つことができないのですが、将来の更なる宇宙探査に向けた研究のため、地球で活躍を続けていきます。 心はずっと一緒だよ、はやぶさ2!
吉原 圭介(再突入カプセル担当 JAXA第一宇宙技術部門)
多くの方々に支えられ無事カプセルを日本へ送り届けられたことを嬉しく思います。 応援して下さった皆様、楽しみにして下った皆様、本当にありがとうございました。 方向探査(DFS)係として、高精度な着地点予測に成功し、カプセルの早期輸送に 寄与できて本当に良かった。メディアには取り上げられないけれど、Woomera砂漠で孤軍奮闘しながらカプセル回収を支えた人達もいたのです。DFS係の皆さん、ありがとう!最高のチームでした!
藤田"Chokko"直行(方向探査係長、航空技術部門/セキュリティ・情報化推進部、JAXA宇宙科学研究所)
いつも応援ありがとうございます。「はやぶさ2」はたくさんのサンプルを地球に届けてくれました。リュウグウの声に地上で耳を傾けたいと思います。
橘 省吾(サンプラーサイエンスPI,初期分析PI,東京大学)
入念な準備と見事なチームワークを併せ持つプロジェクトに参加できたことは、貴重な経験となりました。Ryugu到着前に4ヶ月かけて実施したSCIクレータ探索訓練では、SCIが岩陰に命中してクレータが発見できない事態も想定していましたが、幸運にも10mを超えるクレータが形成されました。SCI運用の当日は、DCAM3が捉えた綺麗な衝突放出物を見て、チームの誰もが運用室のモニタに釘付けになりました。あの興奮と感動を、もう一度目指したいと思います。引き続き、みなさまからの熱い応援をお願いいたします!
嶌生 有理(TIR/SCI/DCAM3/地名命名、JAXA宇宙科学研究所)
はやぶさ2のサンプル室Aの球形の黒い砂粒を見て、サンプル採取地点の高分解能画像を思い出しました。リュウグウの表面を思わせるくらいの量。はやぶさの残した課題は見事にクリアされたのですね。 サンプル分析で表面物質の風化作用の時間が明らかになることを期待しています!!
佐々木 晶 (LIDAR/ONCサイエンスチームメンバー、大阪大学)
ついに10年間待ち望んだ瞬間が来ました。リュウグウサンプルとのご対面!予想以上にたくさんのサンプルがキャッチャ内にあり大興奮です!次は私達の科学分析でどんな結果が出るのか楽しみです!!!」
岡崎 隆司(はや2サンプラ/初期分析チーム、九州大学)
はやぶさ2カプセルが無事帰還して本当にうれしく思っています。多くの方に支えられ応援されたミッションで、参加者の一人として感謝の気持ちでいっぱいです。今後は持ち帰られたリュウグウの試料から新しい知見が得られることを楽しみにしています。そしてこの先も「はやぶさ2」が良い旅をできますように。
三浦 弥生(サンプラ、カプセル回収班、東京大学)
来た、見た、採った!
出村 裕英(TIRチーム、会津大学)
中世の大航海時代、ハイリスクな航路開拓に挑戦したマゼラン、ガマ、コロンブスらの冒険家は、莫大な投資に対して、「わずかに持ち帰った胡椒(こしょう)」で、瞬時に大航海の冒険を成就させています。ピンセットで一つひとつ黒い胡椒をつまんで調べたという逸話もあるそうです。「はやぶさ2」プロジェクトは、炭素質小惑星からのサンプルリターンを成功させ、『太陽系大航海時代』を独走していると言えます。そのような第一級のサイエンスの現場に携わることができるのは、有機地球宇宙化学者として大変な幸運だと思っています。自分自身が小学生の時に観ていた「ハレー彗星」に果敢に挑まれた日本の研究者チームがあったことを知り、感銘を受けました。今度は、私たちが、若い世代や子供たちに夢を与えられるように、日々新たに、日々進化したいと思っています。「リュウグウ」のサイエンス、これからが本当に楽しみです。
高野 淑識(サンプラーチーム/初期分析チーム、JAMSTEC)
6年前、最後に見た姿と何も変わらないサンプルコンテナを手にしたとき、開発フェーズに引き戻されたような不思議な感覚に陥りました。悩んで、苦しんで、ようやく実現したメタルシール機構。ガスも粒子も完全に密封したままキュレーションのクリーンチャンバに導入し、キャッチャの蓋を開けたとき、開発から10年かけたミッションを完遂しました。キャッチャ内のリュウグウサンプルを直に確認したとき、言葉を失うほどのあの感動は生涯忘れることができません。今でもあの感動を表現する言葉がみつかりません。10年間、最高のはやぶさ2プロジェクトチームとして活動できたこと、同じく最高のサンプラチームという絆を築き一緒にやってこれたことは一生の誇りです。リュウグウのガスも、5.4gものサンプルも汚染せず持って帰れたことは、このチームがあったからこそ実現できました。はやぶさ2は我々に「お宝」を託したあと、あっという間に地球を離れていきました。地上ではサンプル分析が、軌道上では新しい目的地を目指し、これからも新しい発見を届けてくれると信じています。
澤田 弘崇(サンプラ/ONC/DCAM3開発担当・カプセル回収チーム、JAXA宇宙科学研究所)
はやぶさ2はエンジニアとしてだけでなく、広報の立場からも関わりました。エンジニアや科学者とプロジェクトの外の世界とを相互に繋ぐ役割として、皆様の感情を一番最初に受け止める楽しくも苦しい仕事でした。大変やりがいのある仕事です。はやぶさから応援し続けてくれた人、最近はやぶさ2を知った人、いつも応援本当にありがとうございます。カプセル帰還ネット中継の台本は私が書きました。その冒頭に載せた檄文の一部 を、ここで公開します。 深宇宙探査が誰かの人生を変えるきっかけになったなら、それは宇宙科学の大きな成果の一つだと思います。

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どこかの誰かがいつの日にか口にするであろう、
 「あの時に見たあれに影響されて、今の職に就きました。」
まさに『あの時に見たあれ』を、いま僕たちの手で作っています。

一機の探査機と関わった幾多の人間が織りなす物語を、叫びたくなるような激情
を、息を呑み瞬きも忘れて見入るような瞬間を、誰かの人生を変えてしまうほど
の体験を、我々が楽しむことで伝えましょう!
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細田 聡史(イオンエンジン/スーパバイザ/広報担当、JAXA宇宙科学研究所)
メタルシール機構開発試験のお手伝いを始めた時から、気がつくと、あっという間の10年でした。 こんな素晴らしいプロジェクト、サンプラチームに自分も関われたことは、誇りであり、感謝で一杯です。 研究者の方々同士や、サンプラとキュレーション等々の橋渡し役をさせていただき、皆さんの本当に真摯で熱い想いに応えたい!と、私自身頑張って参りました。 まさに多くの方の熱く深い想いが集大成として成果になったと思っています。サンプル分析という点では、キュレーション施設に届けたところから、本当のス タートを切ったと言えます。どんな結果が出てくるか、これからがとても楽しみです♪そしてこの大きな成果は数え切れない多くの方々の支えの元に達成されたこと に、心から感謝いたします。
坂本 佳奈子(サンプラチーム・カプセル回収チーム、JAXA宇宙科学研究所)
軌道決定を担当しました。特にRyugu到着時や地球リエントリ直前の軌道決定では、 人生の中で何度も経験することができないような緊張感と充実感の中での解析作業に 携わることができ、チームの皆さんと一丸となり歴史的成果の創出に貢献できたことを誇りに思います。 打ち上げ時から軌道決定チームの一員であった藤井信明さんが残されたトラポン遅延量の値により、 地球リエントリ前に最高の軌道決定ができたことを天国に報告したいと思います。
竹内 央(軌道決定とりまとめ・DSNインターフェース担当, JAXA宇宙科学研究所)
目に焼き付くほど隅々まで見回した着陸点から採ったサンプルが、実際に地球に帰って来る瞬間に立ち会うことができ、心が震えました。はやぶさ初号機の本や映画に食い入っていた時はまだ学部生でしたが、研究を積み、はやぶさ2という素晴らしいミッションに携われて、夢のようです。着陸点選定では難しいことも多かったですが、リュウグウが難敵だったおかげで(?)、エキサイティングな近傍運用でした。着陸を阻む敵であった石が、惑星科学界の貴重な財産になるであろうことが感慨深いです。 おかえり & いってらっしゃい、はやぶさ2!
菊地 翔太(着陸点選定担当、JAXA宇宙科学研究所)
「はやぶさ2」は、小惑星リュウグウ往復そしてリュウグウでのミッションがすべて成功した だけでなく、予定されていた量を遙かに超えたサンプルを地球に持ち帰ることに成功しました。 これはプロジェクトメンバーのみならず国内外の多くの皆さんの協力・応援があってのことです。 本当にありがとうございました。 2006年に「はやぶさ2」の提案をしてから約15年経ちますが、非常に長い道のりのようにも 感じますし、あっという間だったようにも感じます。また、初代「はやぶさ」からの進歩にも 感慨深いものがあります。これからは、キュレーション・分析・拡張ミッションと新たな段階を 迎えますし、さらに別の天体への探査も続くことになります。 今や、小惑星100万個時代! まだまだ未知の可能性が山ほどあります。引き続き、いろいろな 挑戦をしていきましょう!
吉川 真(ミッションマネージャ、JAXA宇宙科学研究所)

はやぶさ2プロジェクト
2020.12.18