トピックス第2回タッチダウンへのアプローチ
−その2:タッチダウン地点の詳細−

6月19日の 「その1」の記事では、第2回タッチダウン地点付近の観測をお伝えしました。本記事では、タッチダウン地点の詳細をご紹介します。

まず、ターゲットマーカ投下を振り返ります。2019年5月30日には、PPTD-TM1A運用にてターゲットマーカ投下に成功しました(図1~3)。


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    図2 ターゲットマーカの分離画像(2019/6/11記者説明会資料)。2019年5月30日撮影。
    (クレジット※ 左図:JAXA、千葉工大 右図:JAXA)

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    図6 投下後に着地したターゲットマーカ(2019/6/25記者説明会資料)。2019年5月30日撮影。
    (クレジット※1:JAXA、千葉工大、東京大、高知大、立教大、名古屋大、明治大、会津大、産総研)

図7には、最初のターゲットマーカ投下(TD1-R3運用、2018/10/25)との比較を示します。目標点からの位置誤差は、TD1-R3では15mでしたが、2回目のPPTD-TM1Aでは3mまで小さくできました。


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    図7 最初のターゲットマーカ投下との比較(2019/6/11記者説明会資料)
    (図のクレジット※2:JAXA、東京大、高知大、立教大、名古屋大、千葉工大、明治大、会津大、産総研

こうしてターゲットマーカの投下が成功したため、次に、プロジェクトではこの周辺のタッチダウン候補地点の詳細検討を進めました。

図8に、C01-C領域からさらに調整された領域であるC01-Cbを示します。


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    図8 タッチダウン予定の領域C01-Cb(2019/6/25記者説明会資料より)。
    [左] 望遠の光学航法カメラ(ONC-T)で撮影された周辺領域。5月16日撮影(ターゲットマーカ投下以前)。
    [右]ターゲットマーカ周辺の画像。ONC-Tで6月13日に撮影された複数画像のモザイク。(図のクレジット※2:JAXA、東京大、高知大、立教大、名古屋大、千葉工大、明治大、会津大、産総研)

図8の左図は、SCI人工クレーターを含む周辺領域です。図7の右図と背景画像は同じですが、線は引き直されています。赤い楕円は、探査機にとって危険な大きい岩を示しています。右図には、ターゲットマーカ周辺の高解像度画像が示されています。ピンクの楕円で示された岩については、検討過程で特に念入りに高さが調べられました。水色でHと示された数字は岩の推定高さです。岩の名前も書かれていますが、検討作業でのニックネームであり、正式名称ではありません。三途岩(さんずいわ)、小三途(こさんず)は、「三途の川」にちなんだ呼び名です。積み岩は、その名の通り複数の岩が積みあがった場所です。

また、これまでの降下観測運用で得られた観測データを用いて、この付近のデジタル地形図も作成されました。図9にデジタル地形図を示します。


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    図9 C01-Cb領域付近のデジタル地形図(2019/6/25記者説明会資料より)。(画像のクレジット※:JAXA)

このような詳細検討を下地として、C01-Cb領域が第2回のタッチダウン地点として選ばれました。実施の可否判断の詳細については、別記事にてお伝えする予定です。

第2回タッチダウンは、7月11日に実施する予定です。
引き続き応援をよろしくお願いいたします。


はやぶさ2プロジェクト
2019.07.08


※ 画像を引用する場合にはクレジットを記載してください。
※1 もしクレジットの短縮が必要な場合は「JAXA、千葉工大など」と表記してください。
※2 もしクレジットの短縮が必要な場合は「JAXA、東京大など」と表記してください。