トピックス第2回タッチダウンへのアプローチ
−その1:タッチダウン地点付近の観測−

今年の2月22日に1回目のタッチダウンを行いましたが、その後、はやぶさ2プロジェクトでは、新たな挑戦として4月5日に衝突装置によって人工クレーターを作ることに成功しました。このことにより、小惑星リュウグウにおける残された最後の大きなミッションは、リュウグウの地下物質の採取になります。そのためには、2回目のタッチダウンを行う必要がありますが、第2回タッチダウンに向けて、プロジェクトでは着々と準備を進めてきました。現時点では、タッチダウンを行うかどうかはまだ決まっていませんが、ここでは「第2回タッチダウンへのアプローチ」ということでご紹介します。

人工クレーターを作る運用を行ったあと、探査機は合計4回にわたって、人工クレーターの上空やその近くに降下しています。これらの降下運用で、人工クレーター付近の詳細なデータを取得することができました。また、5月30日には、人工クレーターの近くの領域にターゲットマーカを投下することにも成功しました。これらの運用で、人工クレーター付近の様子が現在ではよく理解できています。

図1は6月11日から13日にかけて行いました低高度降下観測運用(PPTD-TM1B)において撮影した画像です。ターゲットマーカも撮影されていますし、表面の様子が手に取るように分かります。


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    図1 2019年6月13日にPPTD-TM1B運用で撮影された画像。望遠の光学航法カメラ(ONC-T)によって、10:58(左上)から11:01(右下)にかけて7秒間隔で撮影された28枚の画像を合成したもの。撮影の高度は、最初が約52mで最後が約108mである。左上方の中央部に白い点が見えるが、これがターゲットマーカである。ターゲットマーカから画面右下に位置する人工クレーターの縁まで連続的に詳細な画像が取得できていることが分かる。(図のクレジット※:JAXA、千葉工大、東京大、高知大、立教大、名古屋大、明治大、会津大、産総研)

図1を見ても分かりますように、リュウグウという小惑星は至る所に岩塊があります。2回目のタッチダウンを行うとすると、ターゲットマーカの近くで障害となる岩がないところを狙うことになります。プロジェクトでは、この領域を詳細に検討しています。

※画像を引用する場合にはクレジットを記載してください。もしクレジットの短縮が必要な場合は「JAXA、千葉工大など」と表記してください。


はやぶさ2プロジェクト
2019.06.19