トピックス中間赤外カメラ(TIR)による地球の南半球の撮像

2015年12月4日4時6分(世界時、日本時間:同日13時6分)頃、地球スイングバイを終えて地球から遠ざかりつつある「はやぶさ2」から、中間赤外カメラ(TIR)によって地球を撮像しました。 撮像時の地球までの距離は約34万kmで、南極側から約52°の角度で撮像しました。ほぼ同時に光学航法望遠カメラ(ONC-T)で撮像した地球と比べると、昼間のオーストラリア大陸が海洋に比べて高温、氷床に覆われた南極大陸が低温であることが分かります。また、ダイナミックな渦状の雲の形がはっきり見えます。ONC-Tでは見ることができなかった夜側(図の右側)にも渦状の雲を見ることができます。

  • 図:中間赤外カメラ(TIR)による地球の熱放射画像(左)、「はやぶさ2」からみた同時刻の地球のCG画像(中央)、直後に撮像した光学航法望遠カメラ(ONC-T)による地球の擬似カラー画像(右)。

TIRは天体からの熱を2次元で撮像する観測機器です。以下の大学・研究機関の協力によって開発・運用されています:宇宙航空研究開発機構(JAXA)、北海道大学、立教大学、千葉工業大学、会津大学、北海道教育大学、産業技術総合研究所、国立環境研究所、情報通信研究機構、東京大学、総合研究大学院大学、ドイツ航空宇宙センター(独)、マックスプランク研究所(独) 、オープン大学(英)