トピックスTCM-1 運用

リエントリー最終誘導フェーズにおける最初の軌道制御であるTCM-1が10月22日に行われました。TCMとはTrajectory Correction Maneuver の略です。


今回の運用では探査機の姿勢をΔV(加速)姿勢に変更、探査機の向きを130度ほど大きく回転しました。この姿勢変更に合わせて、探査機側のアンテナ切り替えなど様々なイベントが進行していくのですが、SOE(Sequence of Events)リストを確認しつつ、各担当が声をかけあって運用を続けていきます。


運用中の様子 その1(画像クレジット:JAXA)


ΔVのタイムライン・コマンドが探査機に送られ、予定通り日本時間18時頃に化学エンジン(RCS)によって軌道修正が行われました。さらに19時頃には、こちらも予定通りですが、補正の加速(トリムΔV)を行いました。



運用中の様子 その2
中央のスクリーンには臼田付近の気象情報が表示されています。(画像クレジット:JAXA)

TCM-1における軌道制御量は秒速約15cmで、この制御によって、地球への最接近高度が約400kmから約330kmに変更されました。



運用中の様子 その3 (画像クレジット:JAXA)

今後のTCMは4回予定されています。まずは微小の軌道補正を行うTCM-2が11月12日に行われます。そして、探査機を地球に衝突する軌道に乗せる重要なTCM-3が11月下旬に、その補正のTCM-4が12月初めに行われます。再突入カプセルは12月5日の14時〜15時頃(日本時間、以下同様)に探査機から分離され、その直後にTCM-5を行って探査機は地球圏から離脱することになります。カプセルのウーメラ着地は、12月6日の午前2時〜3時の予定です。


はやぶさ2プロジェクト
2020.11.09