トピックス近赤外分光顕微鏡マイクロオメガが
相模原に到着‼

「はやぶさ2」によるC型小惑星リュウグウのサンプルの帰還が待ち遠しい今日この頃ですが、そのサンプルの初期記載を行うための近赤外分光顕微鏡マイクロオメガが7月3日、ついに相模原のキュレーションセンターにやってきました。


キュレーション運用室に到着したマイクロオメガと付属品(©JAXA)


マイクロオメガとは、「はやぶさ2」の小型ランダー・MASCOTや欧州の火星探査機ExoMars用に開発された、フランスの誇る着陸機用の主力観測機器です。画素あたり約25マイクロメートルの解像度で組織の観察や含まれる鉱物の種類、水を含む鉱物の量、有機物の検出などを行うことができます。その機能を用いて、「はやぶさ2」帰還サンプルの組織の観察や物質の特徴をざっと調べ、より詳細な初期分析や公募分析などで次にどのような詳細観察・分析を行えば効果的に研究ができるかについてのヒントになります。また、サンプルの国際公募研究に応募する研究者が参照するカタログ情報としても提供されます。

コロナ禍の影響でマイクロオメガの製作が約半年遅れましたが、この度完成しました。フランスからいざ日本に持ち込むにあたり、日本への入国は未だ禁止です(日本人の場合は2週間の外出自粛措置)。たいへん困ったのですが、ちょうど日本に帰国するJAXA調査国際部の方の協力で空路搬送して頂き、どうにか搬入することができました(感謝です!)。

キュレーションセンターでは、マイクロオメガをはじめとした各機器の調整、作業手順の確定やリハーサルを経て、今年末に予定されるサンプル帰還後の処理や分析に向けて万全を尽くして準備を進めてゆきます。


岡田達明
(はやぶさ2プロジェクト & 地球外物質研究グループ)
2020.07.06