トピックスさよなら、リュウグウ!

昨年(2018年)の6月27日に小惑星リュウグウに到着してからずっと探査を続けてきた「はやぶさ2」ですが、2019年11月13日、10:05(機上、日本時間)にリュウグウから出発し帰路につきました。リュウグウ滞在日数は504日です。

11月13日から19日までは、「リュウグウお別れ観測」を行いました。11月19日には、探査機の姿勢をイオンエンジン噴射姿勢にしましたので、リュウグウを撮影することはできなくなりました。

「リュウグウお別れ観測」でONC-T(望遠の光学航法カメラ)で撮影した画像は、11月21日にツイッターで公開しました(図1)。


  • [別ウィンドウで開く]
    図1 2019年11月13日にリュウグウを出発してから11月19日に姿勢制御によりリュウグウが見えなくなるまでの間に撮影した航法用画像から作成した動画。11月21日公開。時間が途切れ途切れになっている。(画像クレジット※:JAXA, 千葉工大, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 明治大, 会津大, 産総研)

図1を公開したときには、まだ一部の画像しか地上に降ろされていませんでしたが、その後、すべての画像を探査機から取得しました。それを繋げてフルバージョンとした画像が図2です。図2では、ONC-TとONC-W1(広角の光学航法カメラ)の画像を示します。

  • [別ウィンドウで開く]
    図2 2019年11月13日にリュウグウを出発してから11月19日に姿勢制御によりリュウグウが見えなくなるまでの間に撮影した航法用画像から作成した連続動画。左がONC-T、右がONC-W1による。(画像クレジット※:JAXA, 千葉工大, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 明治大, 会津大, 産総研)

図2では、ときどきリュウグウの位置が急にずれますが、これは探査機が姿勢を変化させたためです。リュウグウがカメラの視野からずれないように姿勢を変更していました。そして、11月19日には、姿勢制御によってリュウグウがカメラの視野から外れていったのです。

1年5ヶ月近くも見ていたリュウグウが見えなくなってしまったことはさみしいですが、最後の重要な作業である地球帰還に向けて新たな出発です。


  • [別ウィンドウで開く]
    リュウグウに別れを告げるプロジェクトメンバー。2019年11月13日撮影。(画像クレジット:JAXA)

  • [別ウィンドウで開く]
    リュウグウ滞在時の運用を見守ってくれた(?)、管制室のリュウグウノツカイ。2019年11月13日撮影。(画像クレジット:JAXA)

はやぶさ2プロジェクト
2019.12.28


※ 画像を引用する場合にはクレジットを記載してください。もしクレジットの短縮が必要な場合は「JAXA、千葉工大など」と表記してください。