DPSとは、Division for Planetary Sciences of the American Astronomical Societyというもので、米国天文学会の惑星科学部門のことです。この部門で行う会合のこともDPSと呼びますが、惑星の分野では世界最大の学会の1つになります。今年は、第50回目の会合( https://aas.org/meetings/dps50 )となりますが、10月21日〜26日に米国テネシー州のノックスビルで開催されます。この会合で「はやぶさ2」の特別セッションが開催されることになりました。学会の1つのセッションが「はやぶさ2」だけの発表で行われることになります。「はやぶさ2」にとっては、このようなことは今回が初めてになります。さらに、学会の期間中に行われる記者会見でも「はやぶさ2」が取り上げられることになりました。
「はやぶさ2」の特別セッションですが、10月25日にはポスターセッションとして13件の研究が発表されます。また、10月26日には口頭セッションとして9件が発表されます。これらの研究発表のタイトルやアブストラクトは、DPSのWeb上にあるAbstract Book( https://aas.org/files/final_abstract_program.pdf )の目次の411番(ポスター発表)と501番(口頭発表)をクリックしていただければ見ることができます(ただし、英文です)。さらにこれらの特別セッション以外に、1件の「はやぶさ2」関連の発表もあります(Abstract Bookでは309.03)。つまり、合計23件の「はやぶさ2」に関連した発表が行われることになります。
また、記者会見は、10月25日の12:00(日本時間で10月26日の01:00)から行われます。タイトルは、「Hayabusa2 Explores Asteroid Ryugu」(「はやぶさ2」が小惑星リュウグウを探査する)というもので、記者会見の情報は
https://aas.org/meetings/dps50/2nd-media-advisory
にあります。記者会見で話されるタイトルと登壇者は次のようになります。
(原文)
- Hayabusa2’s Operations and Observations of Ryugu and Initial Operation of the MINERVA-II1 Rovers and MASCOT
Masaki Fujimoto (Inst. of Space & Astronautical Science / Japan Aerospace Exploration Agency) - Landing-Site Selection to Provide Key Scientific and Engineering Findings from Proximal Operations and Material Sampling
Hikaru Yabuta (Hiroshima University) - Ryugu’s Surface Seen from Hayabusa2’s Remote-Sensing Observations
Eri Tatsumi (University of Tokyo)
Deborah Domingue (Planetary Science Institute)
Lucille Le Corre (Planetary Science Institute) - Initial Operation of the MASCOT After Its Deployment
Ralf Jaumann (German Aerospace Center)
(日本語訳)
- 「はやぶさ2」の運用とリュウグウ観測およびMINERVA-II1とMASCOTの初期運用
藤本正樹(宇宙科学研究所/宇宙航空研究開発機構) - 近傍運用と物質採取から検討した理学・工学の重要な発見をもたらすための着地点選定
藪田ひかる(広島大学) - 「はやぶさ2」のリモートセンシング機器観測によるリュウグウの表面
巽瑛理(東京大学)
デボラ・ドミング(プラネタリー・サイエンス・インスティテュート)
ルシル・レ・コール(プラネタリー・サイエンス・インスティテュート) - MASCOT分離後の初期運用
ラルフ・ヨーマン(ドイツ航空宇宙センター)
なお、記者会見の模様は、インターネットで中継されると言うことです。中継のサイトは、
https://aas.org/media-press/aas-press-conference-webcasts
になります。
記者会見で発表されたことにつきましては、後ほどご紹介したいと思います。
はやぶさ2プロジェクト
2018.10.25