トピックス1500kmの距離から見たリュウグウ

「はやぶさ2」は光学電波複合航法によって小惑星接近を続けています。2018年6月10日に、約1500kmの距離からONC-T(望遠の光学航法カメラ)で撮影したリュウグウを図1に示します。画像の中心に明るく輝いている天体がリュウグウです。6月6日に撮影した画像と比較すると、リュウグウが見えている位置が異なっていることが分かります。リュウグウの等級は約-5.7等です。


  • (拡大) 図1 ONC-Tによって撮影されたリュウグウ。2018年6月10日、12:50(日本時間)頃の撮影。視野は6.3度角 x 6.3度角。露出時間178秒。探査機からはふたご座(Gem)の方向にリュウグウが見える。
    地上観測チーム:JAXA, 京都大学, 日本スペースガード協会, ソウル大学
    ONCチーム :JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 会津大, 産総研

図2は、ほぼ同じ時間に露出時間を約0.09秒として撮影したものです。背景の恒星は全く写らずに、リュウグウだけが点として撮影されています。リュウグウの部分を拡大してみると直径が5、6ピクセル程度の像となっていますが、まだ形はよく分かりません。この画像から言えることは、イトカワのように細長くはなさそうだ、ということくらいでしょうか。


  • (拡大) 図2 ONC-Tによって撮影されたリュウグウ。2018年6月10日、12:50(日本時間)頃の撮影。視野は6.3度角 x 6.3度角。露出時間約0.09秒。
    地上観測チーム:JAXA, 京都大学, 日本スペースガード協会, ソウル大学
    ONCチーム :JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 会津大, 産総研

「はやぶさ2」はさらにリュウグウに接近していきます。今後の画像にご期待ください。

注:
ONCの画像のキャプションに「地上観測チーム」と書かれているので不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれません。「地上観測チーム」は、主に探査機の打ち上げ前に地上の望遠鏡を使ってリュウグウ(当時は1999 JU3と呼ばれていた)やその他の探査候補天体を観測して「はやぶさ2」ミッションの探査候補天体を選定するための重要なデータを提供する役割を担っていました。ミッションのターゲットがリュウグウに決まった後は、リュウグウの物理観測(ライトカーブやスペクトル観測)を行い、リュウグウの物理情報を調べていました。今回のONC画像については、撮影された画像で背景の恒星の位置から正確にリュウグウの位置を計測する作業をしています。また、皆さんに見ていただいています公開用の画像も作成しています。メンバーはソウル大学の石黒正晃氏をPI(Principal Investigator、責任者)として国内外多数の機関からの約30名の研究者で構成されています。ONCの画像解析には、石黒氏に加えて、京都大学の黒田大介氏、日本スペースガード協会の奧村真一郎氏・浦川聖太郎氏が作業を行っています。

はやぶさ2プロジェクト
2018.06.11

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「はやぶさ2」は,人類が訪れたことのない小惑星「リュウグウ」との往復航行をする宇宙船です.どんな冒険が待ち受けているか誰にも分からないけれど,きっと面白い航海になるはずです。どんな旅をするか,楽しみにしていてください。
(プロジェクトマネージャ 津田雄一)