ミッション探査機を知る

「はやぶさ2」探査機は、「はやぶさ」の技術を受け継いで作られるため、外観は「はやぶさ」とよく似ています。ただし、重量を100kg近く増やすことで、改良を加えたり、故障に備えていろいろなバックアップ手段を準備したり、新しい機器を積んだりしました。「はやぶさ2」は、日本のロケット H-IIA を使って、2014年12月3日に種子島から打ち上げられました。

  • 「はやぶさ」と「はやぶさ2」の比較(1)
  • 「はやぶさ」と「はやぶさ2」の比較(2)
機器名 目的・特徴 特記事項
イオンエンジン 探査機の軌道制御を行う。キセノンのプラズマガスを高速で噴射する。 「はやぶさ」のものを改良。推力を増強し、耐久性を強化。
化学エンジン 探査機の姿勢や軌道制御を行う。燃料と酸化剤を燃焼させる化学反応を利用する。 「はやぶさ」や「あかつき」の経験より改良。
姿勢制御装置 探査機の姿勢をコントロールする。 リアクションホイールは4台搭載。
通信アンテナ 探査機と地球との通信に使う。X帯とKa帯の電波を用いる。(Ka帯は新規) 「あかつき」の平面アンテナを採用。
多バンド可視カメラ 探査機の航法誘導のための撮影や、小惑星の科学観測を行う。  
レーザ高度計 探査機から小惑星表面までの距離を測る。  
近赤外分光計 鉱物の種類を調べる。特に、含水鉱物の分布を調べる。 3ミクロン帯の赤外線を観測。
中間赤外カメラ 小惑星表面の温度分布を調べる。 「あかつき」に搭載したカメラと同等。
サンプル採取装置 小惑星から表面物質を採取する。弾丸を小惑星表面に打ち込むことで、表面を砕いて物質を採取する。 「はやぶさ」で用いたものを改良。
地球帰還カプセル 採取したサンプルを、大気圏再突入の時の熱から守り、地上に届ける。  
衝突装置 小惑星に人工クレーターをつくる。重さ2kgの銅を秒速約2km/sで小惑星表面に打ち出す。 世界初の挑戦。
分離カメラ 衝突装置によってクレーターが形成される様子を撮影する。 「イカロス」の分離カメラの考え方を基本として改良。
モニタカメラ サンプラーホーンの先端を撮影する。 寄付金により製作。
小型ローバ(MINERVA-II) 小惑星に着陸して、ホップして移動しながら表面の観測を行う。 3台搭載の予定。
小型着陸機(MASCOT) 小惑星表面に降りて、4つの観測機器により小惑星のデータを取得する。 ドイツ(DLR)およびフランス(CNES)を中心に製作。