ミッション小惑星Ryuguとは?

「はやぶさ2」が目指す小惑星は、Ryugu(リュウグウ)という名前の小惑星です。仮符号は1999 JU3でしたが、2015年9月28日にRyuguという名前が付きました。この小惑星は、地球に接近する軌道を持つ地球接近小惑星(NEO)のひとつで、これまでの観測から大きさはイトカワの約2倍弱の900m程度と推定されています。

重要な点は、イトカワが岩石質の天体(S型小惑星)であったのに対して、Ryuguは有機物(炭素を含む化合物)や水を多く含むC型小惑星であることです。C型であるために、この小惑星が探査対象に選ばれました。C型小惑星は、小惑星帯の中でも太陽から遠い方にありますが、Ryuguは例外的に太陽に近いところにあるC型小惑星です。

小惑星Ryuguについては、これまで地上の望遠鏡や天文衛星を使った観測が行われてきました。その結果、自転周期が約7.6時間である(つまり、地球の約3倍速さで自転している)ことや、表面が黒っぽい色をした天体であるということも分かっています。また、形がほぼ球形であることも推定されました。これらの情報は、「はやぶさ2」が行う探査の方式や、機器の設計・調整にも参考にされています。

「はやぶさ」が「イトカワ」を訪れた時、驚きの事実を我々に見せてくれました。同じように、「はやぶさ2」が向かう小惑星Ryuguにも、地球からでは知ることができないたくさんの発見があると期待されています。