トピックスイオンエンジン第1期連続運転と
追加運転についての報告

2015年12月3日の地球スイングバイの後、「はやぶさ2」は小惑星リュウグウに向けて飛行を続けています。リュウグウ到着は、2018年の6月から7月頃を予定していますが、それまでにイオンエンジンによる制御が必要になります。その第1回目の制御(第1期イオンエンジン連続運転)を2016年3月22日〜5月5日に行いました。

この第1期イオンエンジン連続運転では、3台のイオンエンジン(A、C、D)を使いました。運転時間は約794.4時間で、その総加速量は約127m/sになりました。この運転時間は、同時に複数のイオンエンジンが動いるかどうかは考慮していない時間です。個別のイオンエンジンの運転をすべて合計した総運転時間は、794.4時間×3で2383.2時間になります。

イオンエンジン運転終了後に精密な軌道決定を行ったところ、さらに微修正をした方がよいことがわかり、2016年5月20日の21:00(日本時間)から21日の00:39までの約3.6時間、2台のイオンエンジン(A、D)を動かす追加の運転を行いました。このときの加速量は約0.4m/sです。

そして、5/21以降の計測データに基づいて軌道決定を行ったところ、計画されていた軌道と整合していることが確認され、「はやぶさ2」は一連のイオンエンジン運転で予定通りの軌道に変更されました。次回(第2期)のイオンエンジン連続運転は、2016年の11月末から約5ヶ月間にわたって行われる予定です。

※参考:こちら「はやぶさ2」運用室:No.10

はやぶさ2プロジェクト
2016.06.07